大晦日

December, 2009

凧揚げやカップ年越しそばで仕事納め。

東京の夕焼けはとても綺麗でした。

今年もアイシークブログをご愛読くださりありがとうございました。
来る年がみなさまにとってよい年でありますように。

 

何だか今年も一年があっという間に過ぎた気がします。
客観的時間と印象的時間のズレについて、暮れに解いた入試問題から白井利明さんの文章を一部紹介します。

未来志向的な現代社会が、日々の生活や年々の計画のなかに多すぎる課題をもちこんでしまい、それらをやりきることができないために、「一日が速く過ぎる」「一年がいつのまにか終わった」と感じてしまうのかもしれない。」
(白井利明「(希望)の心理学」による)

アメリカの心理学者トーマス・コトルのことばを引いて、「達成や社会的上昇を重視する価値観をもつ未来志向的な文化のなかでは、現在は未来の単なる手段となってしまう。目標の達成のために主体的に時間を再構成するという能動的な自我の働きが、現在を瞬間としてしまう。その結果、私たちは、将来の準備や効率に追われて、現在というものを豊かに生きることができなくなっている」とありました。エンデの作品「モモ」に登場する灰色の男が盗んだ時間は内的・主観的時間ではないかというのです。

ボクは子どもに解説しながら何だかはっとさせられました。時間は未来のために有効に使うものだと信じていたからです。どうやら一年が速かったと感じるボクも、時間を貯蓄していたひとりかもしれません。来年は「現在」の時間を大切にし、灰色の男に盗まれているらしい内的・主観的時間を取り戻そうと思っています。同じように一年が速かったと感じられた方がいらっしゃれば、どうぞ参考になさってください。

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